「だから、ちょっと必死になってたの」

「……」

「芽生の意見もよく聞かないで、尚輝先輩とくっつけようとしてたし」

「……」

「あかりにも無理矢理はよくないよって止められてたのに」

「……」

「だから、本当にごめん」

「そんな……紗央は悪くないよ。 私がっはっきり しなかったからいけなかったんだよ 」

「いや、私が悪い」

「いや、私だよ」


いつの間にか紗央まで泣いていて、2人で謝り合いを続けて、どれくらいたっただろうか。



「誠くんにも上手く言っとくから、芽生は気にしないで」

「ありがとう……」

「でも、そっか。皆が全員仲良くなる方法なんてないんだね」


鼻を赤くした紗央が小さく呟いて、冷たい冬の空に顔を上げた。
私も鼻を啜りながら、小さく相槌を打った。