頬の熱が上昇していく。まずい、赤くなってないかな。
紗央達は怒ってるけど、こんな感謝した事は無かった。



「てゆうかさ、クラスに乗り込んでくるのやめろよ」

「え?」

「だから、すげーひやかされるんだよ」

「えー、別にほっとけばいーじゃん」


と言いながらも、イブの困っている姿を想像するとちょっと面白い。



「てか、何で、その学校でさ」

「なんだっけ?」

「キ、……キスしたんだよ」


隣のイブが顔を反らすから、耳まで真っ赤なのがよく見えた。

そうだ、今日学校で。私からイブにキスしたんだった。



「……あぁ。うん」

「……」

「前髪あげたイブが、可愛く見えてつい」

「は?」

「萌花とおんなじ理由だよ」

「なんだよ、それ……」


納得いかなさそうなイブが驚いたように振り返って、悩ましげなため息を吐く。



「ていうか、今日の俺のバイト代どうしてくれんだよ」

「え?」

「萌花だってさ、金かかるのに」


なんて、イブがぶつぶつと文句を言いながら下を向くから、閃いたように口を開いた。



「お詫びといってはなんだけど、うちでご飯食べてく?」