振り向けば、すぐ後ろに制服姿のイブが立っていたから、驚かずにらいられない。



「は?イブ!?え、いつからここに?」


部屋が開く音なんて全くしなかったのに。ていうか、今の話どこから聞いてた?



「え、何で店長?芽生ちゃんがいるの??」


イブが酷く混乱したように眉を潜めるから、私が居ると都合が悪いのかとムッとしてしまう。



「いちゃいけないの?私、お茶ご馳走になってただけだし」

「そういうんじゃなくて」

「イブは私にここに来て欲しく無かったんだ」

「いや、だって……」


イブの視線の先には一角の小さなスペースがあって、さっきは気がつかなかったけどそこにはドレッサーが置かれていた。きっと、いつもここで萌花になっていたのだろう。




「ふふふ、イブちゃん、今日はお仕事いいから。芽生ちゃんの事送ってあげなさいよ」

「……はい」


店長の笑い声に、イブが不貞腐れるように唇を尖らせた。