「前に言ったよね、イブ前髪あげた方がいいって」

「え、そうだっけ?」

「邪魔っ!!」

「いてっ」


戸惑うイブの前髪を無理矢理上にあげて、自分のピンをさして目元をオープンにさせる。

こいつの頬を両手でしっかりとてを当てて、力任せに引っ張った。




「め、いちゃ……?」


目の前には幼さの残る可愛らしいイブの度アップが見えて、力強く目を閉じた。





「はじめてしちゃったね、イブの姿で」

「……え、あれ?」


唇は一瞬で離れたけど、柔らかくてイブの体温を感じた。
すぐそばには、頼りなくリンゴの様に真っ赤に頬を染める幼なじみの姿がある。



はじめて自分からしたキスは、歯が当たって痛くて、上手に出来なかったけど。
緊張して、悲しくて、泣きそうになって、凄く胸が苦しくなった。