「いくら鍵が開いてたからって不法侵入したのは、私がいけなかった」

「あー、うん?」

「女の子がベッドで寝ててびっくりした。本当に勝手にごめん」

「じゃ、じゃぁさ、誰にも言わないで……」

「おじさんに言わなきゃいいでしょ。バレたら流石にまずいもんね」

「あー、確かにヤバイ。殴られるかも」

「おじさんならあり得るね」

「あの日はさ、父さん仕事で泊まりだって言ってたから、俺つい……家に帰ってそのまま」

「ストップストップ!!別に詳しく言わなくていいから!!」

「あ、……はい」

「でもさー、凄いじゃん!!めっちゃ可愛かったし!!いいなぁ、イブ。羨ましい」



「……大井さん、ありがと」



イブの真っ黒で重めの前髪から覗く瞳にキラキラと輝きが増す。私の中にある記憶と同じ笑顔で綺麗に重なった。



あの頃と変わらない"イブちゃん"。