「あー、それね。俺も言われたことある」

「先輩もですか?」

「学業とバイトとどっちが大切か考えなさいって」

「……」

「すっげ怒られた……」


肩をすくめてシュンとするから、相当怒られたんであろう事が想像できた。



「尚輝、教えてやれば?」

「あー、いーなぁ」


誠先輩が話に突っ込んできて、隣に座る紗央も身を前に乗り出してくる。



「そんな悪いですよ!」

「大丈夫だよ」

「先輩だって自分の勉強があるのに」

「1年生の勉強は復習にもなるし」

「え、でも」

「……あ、俺じゃ役不足かな?」

「いえいえ、そんな!ありがとうございます」


私が深々と頭を下げると、尚輝先輩も頭を深々と下げる。顔をいきおいよく顔を上げれば、情報科のある教室がある校舎目に入った。