「え、この黒いのはまさかビリビリするやつとか?」

「そうだよ」

「ひゃー、犯罪じゃないの?こんなの持ち歩いてたら」

「女の子が身を守るための防犯グッズだから大丈夫だろ、多分」

「そうなのって、……え、何でイブはこんなの持ってんの?」

「買ったんだよ、ネットで」

「何のために?」

「芽生ちゃんのために決まってるだろ!」


"もう少し危機感を持った方がいいよ"と言葉を続けるけど、ちょっと嬉しかったりする。

萌花のことおじさんにバラしてやる、なんて脅迫したようなものなのに。



「そうやって、優しくして。私に貸りを作ってくんでしょ」

「はぁ、違うって」


ちゃんと私のことを考えてくれているのに、素直じゃない私。


本当は、ちゃんとイブの口から聞きたいと思っていた筈なのに、なんでこんな形になっちゃったんだろう。




※正当な理由がないスタンガン所持は軽犯罪法にふれます