Tear Flowers〜小説家と「愛してる」〜

ウエディングプランナーがカリン・ホワイトと名前を言い、名刺を差し出す。エヴァンが受け取り、フィオナたちも自己紹介をした。

「お二人はどのような出会いだったんですか？」

目を輝かせながらカリンが訊ねる。彼女が恋愛話が大好きなのだということはわかった。

「僕たち、幼なじみなんです。ずっと好きでようやく想いを伝えられて、その記念日に式を挙げたいねって二人で話していて……」

二人で事前に考えた設定をエヴァンが話す。幼なじみという関係は本当なので、その関係を徹底的に利用することにした。

「わあ、素敵ですね！どんなプロポーズだったんですか？」

カリンがフィオナに訊ねる。プロポーズの内容までは決めていない。エヴァンが一瞬焦ったような顔をするも、フィオナは表情を変えることなくスルリと嘘をついた。

「二人でお茶を飲んでいる時に、彼から「結婚してくれませんか？」と言われました。豪華なサプライズは苦手なので、自然に言ってもらえて安心しました」