「おかえり」
海璃はもう一度私にそう言って、そっと私の手を離すと、すぐに運転席の方に乗り込み、もう一度私の手を握りながらハンドルを握ってくれた。

その手の温かさに、いつの間にか眠ってしまう私。

海璃の隣は不思議だ。

海璃の世界に、空気にのまれる。

こんなにも魅力のある人の隣に居るのが私でいいのか疑問に思ってしまうこともたくさんある。
離れることが愛なんじゃないかと思うこともたくさんある。

でも私が海璃の隣にいたい。

離れたくない。


私は、海璃に何かできるだろうか。
私は海璃に・・・何がしてあげられるだろうか・・・。