「今日はもうやめようかな」
「え?」
紗那は俺の言葉を聞いてくれるものの、自分から仕事をストップすることはない。
むしろそれができないから、しんどくなる。

「どうした?体調、悪い?」
そんな紗那が自分からストップをかけることに俺は動揺した。

「大丈夫か?」
「ちょっと・・・体つらくて・・・」
自分の弱さを見せることが苦手な紗那は言いにくそうに小さな声で俺にそう言った。

確かに。
いつもなら、深呼吸をして紅茶を一口飲めば、紗那の顔色は徐々に戻るはずだ。なのに、戻らない。

「病院行こう。」
俺はすぐに立ち上がり、支度をしようとする。