決して見せかけや見栄の自信ではないことを私は知っている。それだけ努力して、積み上げてきた経験があるから、確信をもって選択していることを。

でも・・・彼が唯一自信がないことがあると最近知った。

「・・・ふぇ・・・ふっ・・・」
「なんだ?どうした?抱っこが変か?おむつか?おっぱいか?なんだ?まぶしかったか?」
急に自身がなさそうにおどおどと息子を抱きながら私の方に向かってくる彼の表情に思わず笑ってしまう。

啓吾は息子のことになると、明らかに動揺して、明らかに優柔不断になる。

こんなすがたさえ、私は愛おしくてたまらない。

「ママに行くか?栞菜、なんだと思う?」
私の前に立ち、今にも本気泣きがはじまりそうな息子に、焦っている啓吾に私は両手を伸ばした。