「ごめんて。」
つい、その視線に負けて俺が謝っても陽菜はまだ不機嫌に鋭い視線を向けたままだ。

「赤ちゃんも不機嫌になるから、落ち着け。」
「・・・」
なんとかなだめようとする俺に、陽菜はぷいっと顔を背けてまだ不機嫌オーラを出す。
「ごめん。」
この表情に俺は弱い。

「ごめんな?機嫌直せって。な?」
「・・・なんで寝てる時なのよ」
「はい?」
陽菜の言葉に耳を疑って思わず聞き返す。

「なんで寝てる時なのよって言ったの。覚えてたかったのに。」

一気に俺の体温が上がるのを感じて、俺は衝動的に陽菜に口づける。