「咲!起きろ!いい加減起きないと、担ぎ上げるぞ!」
乱暴な声に、布団の中から飛び起きる咲。
冷静に咲の体をキャッチしながら、冷たい視線を送る玲。

「お前なーいつになったら自分で起きられるようになるんだよ。俺がいない間どうしてたんだ。」
「起きてたもん。」
「どうかな」
「起きてた。嘘じゃないもん。」
ベッドに座り、咲の体をベッドの安全な場所に戻すと、玲が咲の髪を撫でる。
「すごい寝ぐせ。早くシャワー浴びてこい。」
「一緒にはいる?」
「ばか、俺はもう支度も何もかもすんでる」
「・・・ちぇっ」
「こら、行儀悪いぞ。」
玲がベッドから立ち上がると咲が満面の笑みで玲に両手を広げる。
「なんだよ」
「運んで?」
甘える咲に、玲は仕方ないと微笑みながら抱き上げた。

結婚してからの幸せな日々。
悲しいことを乗り越えて、今踏み出した未来への道。

「愛してる」
もう離れないと、約束をした。
でも二人はいつだって・・・
「私も。愛してる」
後悔しないように、思ったことを口にする。

これが新しい二人の約束だ。