時間も何もかも麻痺して、自分がここにいる理由さえ。灼きつく理性の片隅に叶がフラッシュバックした。だけど時雨に翻弄される自分を抑えなかった。
躰をうねらせて身悶えるあたしの耳許に妖しい笑いがくぐもる。
「俺を好きって言えよ。そしたらもっと、くれてやる」
「っっ・・・ッ、す、き」
「名前呼べって」
言うより優しく顎下を捕まえられ、野性味のある端正な顔立ちが間近で見下ろす。
「しぐれ、が、好き・・・」
息も絶え絶えに繰り返し。
初めて言った気がした。どんな言葉ならいいのか分からなかった、レンアイとは違うから。
でも。
無くなるのはイヤだった。
叶も時雨もいて欲しい。
二人の間にいたい。
二人の中に埋まりたい。
二人の人形でいたい。
これからもずっと。
躰をうねらせて身悶えるあたしの耳許に妖しい笑いがくぐもる。
「俺を好きって言えよ。そしたらもっと、くれてやる」
「っっ・・・ッ、す、き」
「名前呼べって」
言うより優しく顎下を捕まえられ、野性味のある端正な顔立ちが間近で見下ろす。
「しぐれ、が、好き・・・」
息も絶え絶えに繰り返し。
初めて言った気がした。どんな言葉ならいいのか分からなかった、レンアイとは違うから。
でも。
無くなるのはイヤだった。
叶も時雨もいて欲しい。
二人の間にいたい。
二人の中に埋まりたい。
二人の人形でいたい。
これからもずっと。



