キミを描きたくて

「依茉のことが本当に大嫌いよ。勉強と絵は文句なし、でも運動がこれっぽっちもできない。でも容姿端麗で、外国語までできる。文句なんてつけれないあんたに、目をつけられて最悪よ」

「うん」

「でも、それ以上に…あんたの友達になれたことが誇らしいの。きっと秋のコンクールだってあなたの名前が載る。いつか、大きな美術館に依茉の絵が飾られる」

「…うん」

「もうやめようね。私は、依茉の絵と、こうやって腕の中に暖かい依茉がいれば文句なんてない」

「…ありがとう、美桜ちゃん。」


美桜ちゃんの涙が、私の頬に落ちる。
私はその涙を拭わなければと、美桜ちゃんに手を伸ばす。

でも彼女はその手を止めて、手を繋ぐ。


「あなたが1人で苦しんでるの、わかってる。私だってわかる。…それを解決してあげられないのだってわかる」

「美桜ちゃん」

「そうよ、美桜よ。あんたのこと憎たらしいとも思うし、誇らしいとも思う、変な美桜よ」

「変なんかじゃ、ないよ…」

「黙ってなさい。あなたをバカにする子は私が全て言いくるめるし、あなたの絵をバカにするやつは八つ裂きにしてやる。あなたは、絵だけ描いててよ」