キミを描きたくて

「......はぁ、だからダメだってば」

「か、完璧に描きます。絶対に、素晴らしい作品にしますから」


そう言いきってもなお、ため息を着く。
どうやら、どれだけ押してもダメらしい。

仕方ない、やはり抽象画を描くことにしよう。

...今度は、何を込めようかな。
悲しみ?怒り?安堵?光?憐れみ?


幸せとか描いても、面白そう。


「ついたよ」


そう言って連れてこられたのは、生徒会室だった。

一見清潔感があると思ったが、それは白の壁と床のおかげで、棚には乱雑にファイルやプリントが押し込まれていた。

机の上は比較的片付いているものの、散らかっていると言うよりはプリントの整理が出来ていない。


「そ、それで...あの、お話とは?」


そう聞くと、息を飲んでしまうほど綺麗な顔で笑う。


「ねぇ、キミさ...僕と付き合ってみない?」


私の絶叫が上がるまで、三秒前...




「えええええええええええっ!!!!!!!!」