興味本位。
覗いてみると、綺麗に色鉛筆で描いてあるページと、鉛筆でぐしゃぐしゃにしたページの二種類に別れていた。
どれも、抽象画。
でも最近のページに、目を引く1枚があった。
「…誰よ、これ」
鉛筆でデッサンしたかのような、簡単な人の顔。
どことなく依茉に似ているが、でも、男の人だ。
依茉の家族だろうか、と予想して、鳥肌が立つ。
「お兄さんは、確かもう…」
あの子は、ずっと、追いつけるはずもない家族を追いかけている。
その事はなんとなく分かっていた。
しかし、絵に残すほど、絵に残せるほど、彼女の記憶が明確であることに驚きがあった。
その次のページは、ぐちゃぐちゃな、真っ暗のページ。
グルグルと線を書いていると思えば、今度はカクカクして。次は太めに描いた線をゆびかなにかでぼかしていて…
私には読み取れない抽象画。
でも、彼女にはきっと、これがピッタリの絵なのだ。
美術部では確実に浮いているその才能。
私はどうしても、依茉の友達でいることに、恐怖を抱かざるをえなかった。
覗いてみると、綺麗に色鉛筆で描いてあるページと、鉛筆でぐしゃぐしゃにしたページの二種類に別れていた。
どれも、抽象画。
でも最近のページに、目を引く1枚があった。
「…誰よ、これ」
鉛筆でデッサンしたかのような、簡単な人の顔。
どことなく依茉に似ているが、でも、男の人だ。
依茉の家族だろうか、と予想して、鳥肌が立つ。
「お兄さんは、確かもう…」
あの子は、ずっと、追いつけるはずもない家族を追いかけている。
その事はなんとなく分かっていた。
しかし、絵に残すほど、絵に残せるほど、彼女の記憶が明確であることに驚きがあった。
その次のページは、ぐちゃぐちゃな、真っ暗のページ。
グルグルと線を書いていると思えば、今度はカクカクして。次は太めに描いた線をゆびかなにかでぼかしていて…
私には読み取れない抽象画。
でも、彼女にはきっと、これがピッタリの絵なのだ。
美術部では確実に浮いているその才能。
私はどうしても、依茉の友達でいることに、恐怖を抱かざるをえなかった。



