キミを描きたくて

俺は依茉だけを考えて生きてきた。
実家からでたのも全て依茉の為だった。

ここで依茉から拒否されたら、俺はきっと依茉を殺してしまう。

ここまでやったんだ。
ここまで耐え抜いたんだ。

依茉に会えない毎日を、依茉の絵を眺めて耐え抜いた。

そんな勇敢な兄を、依茉は拒否しない。
むしろきっと喜んでくれるはずだ。

俺には今、依茉を養えるほどの力がある。

というのも、俺はフランスにいる間、とある会社を設立。
そこでの経営が大きな黒字で、実は依茉に送っている仕送りは俺であるほど。

"依茉を養えるほどになれ"という悪魔の声に答えるかのように、俺は成長した。

今の俺なら、十分に依茉を養える。


「でもどうしよう、依茉が高校を辞めたくないって言ったら」

「辞めさせなきゃいいさ。まだ時間はある」

「そうだよね、すぐに辞めさせたって結婚できる訳じゃないもんね」


ああ。愛しの依茉。
早く会いたくてたまらない。

遠くで、花火の音がする。

きっと彼女は誰かと花火でも見ていることだろう。
明日にでも帰って、依茉を驚かせたい。

俺だってひと目でわかるはずだ。

きっと、きっと、依茉は俺の愛を受け取ってくれはずだ。