キミを描きたくて

「じゃあ今日、泊まっていい?」

「へっ!?」

「だれもいないんでしょ?」

「い、いないですけど...」

「じゃあいいじゃん、泊まる」


駅に着くと、会長は西方面なのに、私と同じ南北線の改札を通る。

...いいのかな...

私も定期を当てて通る。
会長が、また手を繋いだ。


「...ところで、見てて思うんだけど」

「は、はい」

「いつもそんなにスカート短いの?」

「え......?」


膝上5センチ。みんな膝上8センチとか10センチとかで、私はまだ保守的な方だ。

...美桜ちゃんには、まだまだ長いと言われたし。


「......無自覚ならいいけど」

「み、みんなこんなもんじゃないですかね」

「明日からスカート下ろしてきて。」

「え、やっ、やですよ!美桜ちゃんに長すぎるって怒られちゃいますし」


そう言うと、会長は目を細める。
僕より友達が大事?なんて聞いてきた。


「え、あ、いや、そ、その...」

「慌てすぎ。...まぁいいよ、そんなに嫌ならそのままで」

「は、はい...」

「あ、でも」


そう言って先輩が私の首元へ手を伸ばす。
そして、ブラウスのボタンを全てつけた。


「...第二ボタンまで開けるとかばかなの?」

「え?い、いや、でも...」

「明日から、全部ボタン閉めてきて。もうフリーの彼氏募集してる女子じゃないんだから」

僕の彼女ならそれくらいしてよ、そう言った。