キミを描きたくて

何時に来るのかな。
そう考えながら、風呂だけは済ませておこうと服の用意をする。

合鍵は持っているはずだから、鍵は閉めたままだっていい。


父は…今度は、何を言うんだろう。
樹のものを捨てに、とでも言うんだろうか。

それとも、成績のこと?

夏休み前に受けたテストの結果と通知表は、全て家に郵送される。
…テスト用紙が帰ってきた時の点数は悪くなかったはずだ。

どれも90以上を保持した。
授業態度も、きっと悪くないはずだ。

オール10、とまでは行かなくても、どれも9は…

ああ、体育だけ低いか。


そう頭をぐるぐるさせながら、お湯をだす。
まだ最初は冷たいが、それがいい。


「ほんっと、嫌なことばっか…」


会長…紫月くんが家にいる日は、ずっと気をひたすらに張る。
少し、今日来ないことに安心さえしている。

きっと、彼も彼なりに、家が嫌な理由があるのだろう。


学校ではイケメン秀才、バスケ部のエース、生徒会長。
たくさんのファンがいる。

でも家ではただの息子ひとりに過ぎず、将来家を継ぐことばかりきっといわれるのだろう。

…確かに、私もそれは嫌だな。