キミを描きたくて

「うどんにする?それともハンバーガー?」

「うーん…どうしようかな」

「俺ラーメンにしようかな」


じゃあ私もラーメンにする。
そういうと、何ラーメン?なんて聞き返してくる。

きっと傍から見れば私達はカップル。
…内側から見ても、カップルなんだけど。


「塩がいい」

「買ってくる。待ってて」

「あっ、お金…!……って、行っちゃった」


フードコートにいる様々な人が紫月くんに目を向ける。
それはどれも、羨望や憧れの目。

憎しみなんて、どこにも見当たらない。


「ああっ…ゆずちゃん、お水飲みたいの?」
「うあー、あぅぅ」
「だからって倒さないでよー、もう…ごめんあなた、お水もう一度入れてきてくれる?」
「拭くものないかも聞いてくるよ。ごめんね、少し待ってて」


真横のキッズスペースからそんな声が聞こえてくる。
支え合う親子。

…私の両親は、どうだっただろうか?

いつも樹と比べてくる母親の事ばかり印象に残っていて、父のことの記憶があまりない。

特に、私が何を言おうと、どう進もうと、何も言わなさそうな人。そんなイメージ。


「ただいま。…何見てるの?」

「なんでもない」