キミを描きたくて




「93,682円になります」

「カードで」

「暗証番号の方を____」


ヤバい。
この人、本当に何でも買うんだ。

文具屋でこんなにカゴいっぱい買ったの初めて…
せめて半分だけでも、と言ったのに、彼はサッと制止する。

…まあ、こんな関係も、いいのかな。


「あっ、自分で持つ!」

「うるさい。お腹すいた、フードコートいこ」


パンパンの紙袋を片手に、もう片方の手は私の手と。
まるで"デート"。…いや、まるでじゃないか。
デート、なのか。これが。

ショッピングモールのエスカレーターを昇りながら、フードコートへ向かう。


「あれ?会長だ〜!」
「紫月様〜!!!」
「こんなところにいらっしゃるんですね!」


私服姿の女子高生にあっという間に囲まれる紫月くん。
スっと私は手を離して1歩引く。

…私と紫月くんは、見合わない。

お会計をパって済ませてみたりした経済力。
私服姿でもすぐに見つかるほどの美貌、魅力。


「紫月様、私たちとご飯行きましょうよ〜!」

「ごめん、彼女待たせてるから」


行くよ、なんて私の手を再び繋いで、フードコートへ再び向かう。

3人組が私たちを睨む。
それを気にせずに進む紫月くん。

…ああ、評価ばかり気にする私だから、見合わないんだ。