キミを描きたくて

そんなことをぼんやり考えながら、スケッチブックを10冊ほど手に取る。

…まあ、夏休み長いし。
それと絵の具…あ、新しいペンとか使って描いてみようかな。

あんまりアルコールマーカーを使って描いたことはない。
使ったことはあるのは百均のもので、ちゃんとした値段のするものをつかったことはないな…

でも、それなら水性絵の具でも…いや。


頭の中で葛藤していると、トントン、と肩を叩かれる。


「何、これ欲しいの?」

「いや…ちゃんとしたもの、使ったことないなって。水性の代わりになるのかな…?」


アルコールマーカーは、乾くのが早い。
…試しにセットでも買ってみようかな。

そう思って手を伸ばすと、紫月くんがさっと取る。


「いいよ、買ってあげる」

「え?いや、悪いですよ。…自分で買えるし」

「金だけは親のおかげで無限にあるから、こういう時くらい甘えなよ」


スケッチブック10冊と、アルコールマーカーのセット。
小さい方の36本でも十分だったのに、紫月くんは72本セットを手に取る。

わ、すごい値段…こりゃ百均のものが流行るのもうなずける。


「や、やっぱり高いし!」

「あとは?絵の具とか無い色あるの?」

「油絵の具が…」

「じゃあそれも買ってあげる。つれてって」