「はい、おしゃべりは終わり。とりあえずまだ芽衣の大っ嫌いな注射はしないから、布団から出ておいで」


私は顔をひきつりながらものろのろと布団から出た。


「うん、いいこ」


修也先生は私の頭をなでてくれる。


「じゃあ、聴診するから服あげて」

私は言われた通りにする。


「うん、おっけー」


修也先生から許可が降りた私は服を元に戻して整えた。


「今日は元気だね。心臓もあんまり早くないし顔色もまあまあいいし。あんまり貧血の症状は出てないね」


「そうそう、だから採血はなしってことで」


「それはダメー」


「ちぇっ」


少しの淡い希望が一瞬で消えた。