「とりあえずは、魔力が回復するまで
俺の家に住んでもらう」

「!?」

「お前は、あの夢とかいう女に
自分の魔力で、他の魔界の者からの
手出しをさせないようにしているだろ」

それは・・・

「それが、どれだけ魔力を消費するか分かっているだろ」

「まぁ・・・」

「なのに、その魔力を削ってでもあの女を
守らなくちゃいけない理由はなんだ」

「別に、あの子を守っているわけじゃないわ」

「何?」

「お母様が決めた婚約者がいるの。
この人間界に」

「は?
女王が選んだ婚約者がいるなんて・・・」

「あたしもつい最近知ったのよ。
その婚約者の妹が夢ちゃん。
守らなくちゃいけない理由がないでしょう?
善には、あたしよりも夢ちゃんの方が似合うと思ったんだけどなぁ」

「何言っている。インキュバスや、サキュバスは
人間を嫌っていること。お前が知らないはずがないだろう?
人間の子を宿しても、魔界に入れるのは、人間界に染めさせない為。
インキュバスもサキュバスも生命力も魔力量も半端じゃ位ほど」

そうね。
サキュバスだって、魔力量が強いことくらい知っているわ

「俺が、そんな種族なのに、人間を嫁に迎え入れるだと?
嘘でも冗談でも言わねぇ。俺は
こんな世界にいなくてもいい種族だ。
それは、姫。貴女でも同じことだろう」