「美夏(みか)、ここ寒くね?」


私の名前を呼ぶのは、

子供の頃からの幼なじみであり、

唯一の親友であり、

3年間片想いし続けている大好きな人。


私は今日、思い切って気持ちを伝える。


陸(りく)への想いに気付かされた、この屋上で。


「陸...」


酸素をありったけ吸い込み、

今までの想いを吐き出す。


一言に全てを込めて。


「好きだよ。」


「おう、俺も好きだよ。急にどうした?」


陸は、いつもそう。


私にとっての好きは意味が違うの。


「そういう好きじゃないから。

ちゃんとした好きだから。」


言っ..ちゃった。


「分かるよね?どういう好きか。」


「ああ。」


陸、なんで泣いてるの?


やめてよ、勘違いするから。


「悪い。もっと早く気づいてれば。」


もういいから。


思わせぶりな態度とらないで、ちゃんとふってよ。


「俺も、同じ意味で美夏のことが好きだよ。」


えっ...嘘...


それじゃあ、もう我慢しなくていいですか?


私の気持ち、全部ぶつけていいですか?


「お前の全部、受け止めるよ。」


私の心の声が聞こえたのか、

陸が痛いくらいに強く抱きしめてきた。


勇気...出して良かった。