The previous night of the world revolution6~T.D.~

「そんな訳なので、セカイさん連れて帰ります。お世話になりました」

と、ルーチェス殿は、ワイヤーに掴まったまま、初めて俺の方を向いて言った。

俺の存在、ちゃんと気づいていたんですね。

「あ、いえ…。それよりその…大丈夫なんですか?」

「はい。何となく動かしてみたら、ちゃんと離陸出来たんで。何かあったら不時着出来るよう、ちゃんと本読んで勉強しておきました」

いや、ヘリの方を聞いたんじゃない。

そちらも充分心配ではあるけども。

何となくで離陸しないでください。

「ルティス帝国の…政変の方は…」

「あ、そっちですか?」

「そっちでしょうよ…普通は…」

「何だ、あなたそんなこと心配してたんですか?」

…何だ、って…。

「それは…当然です。ルティス帝国は大事な同盟国で…。『青薔薇連合会』も帝国騎士団も、俺にとっては…」

かけがえのない…恩人なのだから。

安否を気遣うのは当然だ。

ましてやルティス帝国の政変ともなれば、箱庭帝国だって他人事ではいられない…。

しかし。

「あのですねぇ、新参者の僕が言うのも何ですけど…。『青薔薇連合会』と僕の師匠が、一体今まで、いくつの修羅場を潜り抜けてきたと思ってるんです?」

「…!それは…」

「こんな事件、ルレイア師匠の武勇伝の一ページになるのが精々。美しく、華麗に解決してみせましたよ」

…それはそれは。

もう、感服致しました。

心から。

「…皆さん、ご無事なんですね?」

「当然」

それを聞けて良かった。

ようやく俺は、ホッと胸を撫で下ろした。

彼らが無事で、本当に良かった…。