The previous night of the world revolution6~T.D.~

「…?」

「…?ヘリ?」

おかしい、と思った。

ここは、『青薔薇委員会』本部。

ヘリの離陸場はあれど、国内でヘリコプターを使うのは、何かしらの緊急時のみ。

それ以外の空路は、全て飛行場を経由する。

『青薔薇委員会』に直接、しかも何の事前連絡もなく、ヘリがやって来るなんて。

「…!一体、何が…!」

俺は、慌てて部屋の窓を開け、ベランダに出た。

すると。

建物の真上に、真っ白なヘリコプターが滞空していた。

…!?

そのヘリの乗降口が、ぱかっと開いたかと思うと。

しゅるり、と一本のワイヤーが垂らされ。

さながらターザンのごとく、そのワイヤーを伝って、人影が降りてきた。

な、なん…。

「お久し振りです。お迎えに上がりました」

真っ赤な、大きな赤い薔薇の花束を持って。

それはもう颯爽と。

まるで王子のように。

いや…元王子なんだけど。

「あ~っ!ルーチェス君だぁ〜っ!」

セカイ殿が、ルーチェス殿の姿を見つけるなり、ベランダに駆け寄ってきた。

「本当に迎えに来てくれたんだね!」

「え、疑ってたんですか?」

「ううん!来てくれると思ってたよ!も〜!待たせ過ぎ!」

「済みません。これでも結構急いだんですが」

ヘリで来たくらいですからね。飛行機じゃなくて。

「もう待ち過ぎて、カップ麺出来るところだったよ」

…三分?

「そうでしたか。じゃあヘリにして正解でしたね。見てください、あのヘリ」

ルーチェス殿が上を指差すので、釣られて俺も上を見ると。

真っ白。

真っ白なヘリ。

「白馬で来ようかと思ったんですが、馬だと日数かかるんで、白馬ならぬ、白ヘリで迎えに来ました」

むしろ、馬で来ようという選択肢があったのが凄い。

そうか。王子だったんだもんな。馬術くらいは嗜んでいたのかもしれない。

「成程!さすがルーチェス君、ロマンチックだね〜!」

…ヘリが?

どうしよう。なんかもう、既についていけてない。この二人に。