The previous night of the world revolution6~T.D.~

これもう、完全にDVですね。

お巡りさん。現行犯です。

「何するんですかルルシー!」

「良いかルレイア、お前はもう黙ってろ。静かにしてろ」

「何で?」

「これでも咥えてろ!」

「もごっ」

ルルシーは、棒付きの飴玉を俺の口の中に突っ込んできた。

いやん。ルルシーが食べさせてくれちゃった。

幸せ。

久々だよねこれ。

「よし、これでしばらく静かになったな…」

「…あの…ルルシー殿…」

「済まん、ルーシッド…。これでしばらく黙ってるから、今のうちに話そう。何だ?聞きたいことって」

「え、えぇと…。ヒイラ・ディートハットのことなんですが」

あぁ、なんだ奴のことか。

今更どうでも良くね?と思ったが。

ルーシッドは知らされてないんだっけ。

「彼はどうなりました?帝国騎士団は、彼の身柄を押さえていないと聞いていますが」

「あぁ。奴のことは、こちらで任せてもらってる。悪いが、奴は死んでもらわないと困るからな」

「やはり…そうですか」

と、顔を曇らせるルーシッド。

こいつは正義厨だからな。

相手が例え悪人でも、出来ることなら、生きて罪を償わせたいと思うのだろう。

だが、世の中そんなに甘くはない。

死んだ方が良い人間ってのは、いるんだよ。

少なくともヒイラは、『白亜の塔』という禁忌を知ってしまった。

その時点で、奴に救いはない。

気の毒なのは、俺やルリシヤと同じく、『光の灯台』開発チームに選ばれたメンバー四人だよな。

奴らは確かに馬鹿ではあったが、『帝国の光』に入ってしまったこと以外に、罪はなかった。

運が悪かったのだと思ってくれ。

来世では、きっと良い死に方できるよ。

「しかし…現場からは逃げたそうですが、行方は…」

「こちらで確認している。心配するな。絶対に逃がしはしない」

裏切り者や逃亡者の追跡は、マフィアのジョブだからな。

無能な帝国騎士団ならいざ知らず、俺達が追跡者を逃すことは有り得ない。

その証拠に。

「…む?」

俺のスマートフォンが、ポケットの中で振動した。

「あの場で殺すのは不味い。少し泳がせてから、人気のない場所で確実に…」

と、ルルシーが説明している間に、スマートフォンに届いたメッセージを確認した俺は。

「ねぇねぇ、ルルシー」

「…何だよ。しばらく黙ってろって言ったろ?」

酷い。

「アイズから連絡が来たんですよぅ。そのヒイラ、ついさっき始末したそうです」

「…!早かったな」

「アイズ子飼いの、特殊部隊を動かしたそうですからね」

それは、仕事も早いだろう。

いやはや。

「…そんな訳だ。ヒイラについては、何も心配することはない」

「…そうですか。分かりました」

「感謝して欲しいですね。全くこの童貞坊やが不甲斐ないせいで、俺達が汚れ仕事を押し付け、もごもごもご」

「黙ってようなルレイア…!」

いやん。飴突っ込まないでルルシー。

えっち。

すると、ルーシッドは。

「…はい。今回は、本当にありがとうございました」

「…あ?」

なんか、いきなり改まって礼を言い始めたぞ。