さて。

小屋の中に残ったのは、僕と。

あとは、首と胴体が泣き別れになった死体だけ。

仕事終わり。

「全く…」

僕は、マッチ箱を取り出し、その中から一本のマッチを出して、火をつけた。

火のついたマッチを、骸となったヒイラの死体の上に投げた。

小さな火は、やがて大きな炎になり、小屋全体を燃やし始めた。

一緒に燃えるのは御免なので、僕は一人、小屋から出る。

背中に熱い熱気を感じながら、携帯端末を取り出し、任務完了のメッセージを、上司に伝える。
 
「…人使いが荒いんだから」

折角、世間は楽しい夏休みだっていうのに。

僕はこうして、ほぼ毎日仕事に駆り出されている。

まぁ、こっちが本職なのだから、仕方ないと言えば仕方ないが。

今日はこれ以上仕事はないので、さっさと帰ろう。

さっさと帰って、そして…。



























「…昆布茶先輩が不幸になる素敵な脚本、考えないとね」

そう思うと、自然と心が浮き足立つというものだ。

返り血まみれの身体で、僕は微笑みを溢した。