The previous night of the world revolution6~T.D.~

――――――…『裏党』の党員に付き添われて。

ヒイラは、武器庫兼秘密の研究室がある、地下にやって来た。

絶対ここに来ると思ってたよ。

ここで待ち構えていて、正解だった。

そして。

「くそっ…。どうなってるんだ、畜生っ…」

狼狽え、動揺し、悪態をつき、焦燥したご様子のヒイラを見たところ。

どうやら、俺の優秀な弟子とシュノさんは、『表党』の反乱に成功したらしいな。

ま、失敗するなんて、ハナから思っちゃいないが。

何せ、あのアイズが考えた作戦なんだから。

「ど、どうしましょう同志ヒイラ…」

「まさか、『表党』の連中が反乱を起こすなんて…!」

「何処からそんな情報が漏れて…」

ヒイラ以上に狼狽えまくる『裏党』の党員に、

「そんなこと、今はどうでも良いんだ!」

ヒイラは、怒りに任せた怒号を飛ばした。

これには、党員達もびっくり。

「バレてしまった以上、もうどんな釈明をしたって、あいつらは納得しない!くそっ…どうしてこんなことに…」

そう。どんな釈明をしても、もう誰もあんたのことなんて、信じないよ。

あんたが、誰も信じなかったのと同じようにな。

そんな訳なので。

「一体、何があったんですか?同志ヒイラ…」

俺はヒイラに駆け寄り、白々しく演技した。

何があったかなんて、一から十まで知ってる。

お膳立てしたのは、俺達なんだからな。

するとヒイラは、苛立ち紛れに吐き捨てた。

「誰かが、『帝国の光』の秘密を『表党』の連中にバラしたんだ。武器庫の存在も知られてしまった…」

「そんな…」

それは面白いことになりましたね。

「でも…ですが、大丈夫です、同志ヒイラ」

「何が大丈夫なんだよ!?」

逆ギレされた。

俺、逆ギレされると、逆逆ギレ起こしてぶん殴りたくなるタイプなんだけど。

それを抑えて、俺は白々しい演技を続けた。

「『光の灯台』があります!今こそ、『光の灯台』を使いましょう」

「『光の灯台』って…だけどあれはまだ、」

「試用段階ではありますが、完成しています!」

「!」

…言っておくが。

勿論、嘘である。

ヒイラをぬか喜びさせたくて、つい。

「本当か!?出来たのか!」

案の定、この喜びよう。

砂漠のど真ん中で、オアシスでも見つけたみたいだ。

笑いそうになるからやめてくれ。

よくもまぁ、こんな分かりやすい嘘を信じるよ。

それだけ、ヒイラも追い詰められてるってことなんだろうけど。

大体、ちょっと前まで「完成には時間がかかる」とあれだけ言われていたのに。

いきなり「完成しました!」と言われて、それを信じるとは。

おめでたい頭だよ。

まぁ、こんな嘘はすぐにバレるのだから、大した意味はないのだが。

俺が楽しかったから良いよ。

「丁度良い…!『光の灯台』を使えば、『表党』の連中も黙らせられる…」

「…」 

「あんな奴ら、洗脳して丸め込んでしまえば…」

…お前。

今、自分が言ってること分かってるか?