The previous night of the world revolution6~T.D.~

「そんなん、アリューシャ砲で一発だぜ、一発!絶対外さねーから!何処に逃げても、アリューシャのスコープに入ったら一撃よ!」

殺す気満々だね、アリューシャは。

確かに、アリューシャのスコープに狙われたら、もう棺桶に両足突っ込んだようなものだ。

何なら、もう棺桶に横たわっていても良いレベル。

しかし、こればかりは、そんなに簡単な問題ではない。

「あのな、アリューシャ。殺すのは簡単だろうが、『帝国の光』に関する件は、『青薔薇連合会』だけの問題じゃないんだぞ」

「ふぇ?」

「思い出してもみろ。俺達は今、帝国騎士団と同盟を組んでるんだ」

「…?…。…そうだよ!そのくらい覚えてるわ!」

「嘘つけ。考えただろ今」

まぁまぁ。思い出したんだから良いじゃないか。

「とにかく、帝国騎士団の意向も聞かずに、勝手に『青薔薇連合会』の流儀で処理しちゃいけないんだ」

「むむ…」

「お前のご自慢の狙撃も、実弾は駄目なんだよ。相手は、確かに『帝国の光』に所属しているとはいえ、堅気のルティス帝国民なんだから」

「むむむ…」

こればかりは、仕方ないね。

相手が裏社会の人間なら、こちらも容赦する必要はなかったんだけど…。

「帝国騎士団の意向を聞いて、判断することにするよ」

「…それは勝手にすれば良いが、もしヒイラがルレイアに銃を向けるなら、俺は…」

すかさず、ルルシーが釘を刺してきた。

はいはい。

「分かってるよ。そのときは、君の好きにして良い」

例え、帝国騎士団にヒイラの生け捕りを希望されても。

明日になってみないと、分からないからね。

状況が許せば、生け捕りも考えるが。

もし、ヒイラ・ディートハットが、ルリシヤやシュノやルーチェスに…。

ましてや、ルレイアに危害を加えようとしたら。

ルルシーは、絶対に躊躇ったりしない。

条件反射のように、ヒイラを撃ち殺すだろう。

止められるなんて思っちゃいないから、それはもう自由にしてくれれば良い。

多分、逆も然りだろうね。

ヒイラが、ルルシーに拳銃を向けたら。

そのときは、ルレイアの牙が、ヒイラの喉笛を掻き切ることだろう。

だから、ヒイラの生死については、何とも言えない。

…しかし。

「…彼をどう処理するかについては、私から提案がある」

「…?どうすんの?」

「まだ内緒」

「内緒かよっ」

内緒だよ。ごめんね。

「帝国騎士団と相談して決めるよ。いずれにしても、君達の手を煩わせるつもりはないから、安心して」

「…どういう意味だ?アイズ」

…それは。

…折角、手塩にかけて育ててみたんだから。