The previous night of the world revolution6~T.D.~

それでも俺は、にこやかに言い訳を続けた。

出来るだけそれっぽく、なんか賢そうなことを言っておけば。
 
学のないヒイラは、そういうものか、と引き下がるしかない。

「確かに、一見何の関係もないように見えますよね」

実際、何の関係もないからね。

しかし、なんかそれっぽく、根拠があるように見せかける。

「実はハーブの中には、様々な効果、効能があります。例えばそのページ…ハイビスカスには、美肌効果や、健康増進の効果があります」

「じゃ、中には洗脳効果を持つハーブもあるってことなのか?」

「そこまでは、さすがに厳しいですね」

俺は、苦笑いで答えた。

そんなハーブがあったら、世の中は大混乱だ。

「ですが、リラックス効果や、沈静化作用、つまり心を落ち着ける効果を持つハーブならあります」

「沈静化…」

「はい。人の神経に作用し、心を安定させる効果があるハーブもあります。これは、洗脳下に置かれた人間の状態と類似していますよね」

「…!」

お、食いついたな。

チョロい。

「そういった効能のあるハーブをかけ合わせ、組み合わせれば、『光の灯台』に応用出来るかもしれません」

「…成程」

「たかが植物、と思われるかもしれませんが、植物は古来から、毒にも薬にも、様々な用途で使われています」

漢方薬とかね。

「中には、人の脳や心に作用するものもあるでしょう。我々は今、その手掛かりを探しているのです」

「…そうか」

「サシャ博士も、ハーブに関する研究は有意義であると認めてくださいました。そうですよね、博士?」

「えっ、あっ」

不意打ちで、自称博士(笑)に話を振ってみると。

思いっきり狼狽していた。

自分だけ、私関係ありませんみたいな顔してんじゃねーぞ。

お前博士だろ。博士を自称するなら、それっぽいこと言ってみせろよ。

何で、一介の学生である俺が、一番開発に貢献してるんだよ。

「そ、そうだな。彼の言う通り。様々な観点からのアプローチは、『光の灯台』完成に不可欠だと思っている」

で、言うことがそれかよ。

情けない奴だな。

「それと同時に、音楽療法に関する本も調べてみようとしているところです。音楽も植物と同様に、人の心に作用する効果が…」

「あぁ、そうか。分かったよ」

あん?

「君達が、一生懸命研究に打ち込んでくれていることは分かった。同志達の健闘に、心から感謝してる」

嫌味かよ。

「これからも、『光の灯台』開発の為に、全力を尽くして欲しい。出来るだけ急いでくれると助かるな」

あくまで、お前らさっさとしろ、とのこと。

はいはい。全力で遠回りさせてもらいますよ。

「邪魔して悪かったな。それじゃ、研究を続けて欲しい」

「はい、分かりました」

ヒイラは、笑顔で研究室を立ち去ったが。

あの目を見れば分かる。

顔は笑ってるのに、目は全然笑ってない。

この場は乗り切ったが、あれは相当トサカに来てるなぁ。

あぁ、嫌だ嫌だ。余裕のない大人にはなりたくないね。