The previous night of the world revolution6~T.D.~

「こんな植物を調べることが、『光の灯台』に関係あるのか?」

と、懐疑的なヒイラ。

うん。まぁ確かに全然関係はないんだけども。

しかし、そう決めつけるのは良くない。

「同志ヒイラ…。ハーブの効能について調べてみようと提案したのは、同志ルナニアです」

開発チームのメンバーの一人が、責任を俺に擦り付けようとしてきた。

おい。

確かに言い出しっぺは俺だが、なんか怒られそうな雰囲気の中で、俺に責任を押し付けるんじゃねぇ。

卑怯か。

すると。

「彼はルティス帝国総合大学の学生です。そんな彼の提案を、採用しない手はないかと…」

責任を押し付けようとしてきたメンバーは、そう続けた。

一応、俺の提案なんだから、あながち間違ったことは言ってないんじゃないか、と言外に含んでいる。

いや、それでも責任押し付けてることに変わりはないからな。

お前は卑怯な奴だよ。

何だかヒイラがお怒りのこの場面で、発言をしたという、その度胸は買ってやる。

すると、今度はヒイラの視線が、俺に向いた。

ほらぁ。

お前が俺の名前を出すから、こういうことになる。

「…同志ルナニア」

「はい」

何を、どう責められることやら。

「説明してもらえるか。ルティス帝国総合大学の君が。この本が、『光の灯台』の研究とどう関係があるのか」

うわぁ。

超嫌味っぽい。

悪かったですね、ルティス帝国総合大学の学生で。

本業マフィアだから許して。

あの責任押し付け野郎め。お前のせいで、俺が槍玉に上げられることになってしまった。

だが、残念だったなヒイラ・ディートハット。

こちらは、お前がいつ抜き打ちチェックに来たとしても、舌先三寸で撃退する方法を、ちゃんと考えてあるんだよ。

「同志ヒイラ。それについては、きちんと説明させて頂きます。ですが…一つ、ご指摘させてもらいたいことが」

「…何だ?」

「先程の、ルティス帝国総合大学の君が、という同志の発言。あれは撤回して頂けませんか」

まず、揚げ足を取っていくスタイル。

良いんだよ、俺は別に。

お前が嫌味を言うなら、俺も嫌味で返してやろうかと思ったんだが。

「大学に行ったことのない同志ヒイラには、お分かりにならないかもしれませんが」とか言ってやろうかと。

ってか超言ってやりたかったけど、でもそんなことを言ったら、余計ヒイラの怒りに火を付けるだけ。

最悪ヒイラの信用を失い、拷問部屋送りにされるかもしれない。

拷問自体は何の脅威でもないが、『光の灯台』開発チームから外されるのは困る。

だから俺は、あくまで穏便に、平和的にこの場を乗り切ることにする。

いやぁ、俺って本当大人だなぁ。

こんな温厚で平和的な大人って、俺の他にいるの?

親切の塊みたいな人間だよ、俺は。