The previous night of the world revolution6~T.D.~

しかし。

「…今は、何処まで進んでる?」

今度は、研究の進捗状況を聞いてきた。

何処までも何も。

とりあえず、ハイビスカスに美肌効果があるところまでは分かりました。

俺にうってつけだな。

「今は…『光の灯台』に使えそうな資料を探しているところです」

開発チームのメンバーの一人が、恐る恐る答えた。

度胸のある奴だよ。

少なくとも、そこで若ハゲ晒してる自称博士よりは。

「…使えそうな資料?」

「は、はい…」

「…」

ヒイラは、無言で研究室につかつかと踏み込んできて。

俺達が取り囲んでいた、テーブルの上の本を見下ろした。

そのタイトルは、『世界ハーブ百科事典』。

実に分かりやすく、そしてこの場において、非常に滑稽な本である。

ヒイラは、俺とルリシヤがずっと前から気づいていながら、ずっと口に出さなかったことを、はっきり言葉にした。

「…こんなものが、本当に『光の灯台』の開発の役に立つのか?」

良いこと言った。

君、今凄く良いこと言ったよ。

褒めてあげたがったが、残念ながら出来る状況じゃないので、我慢だ。

しかし、ハーブ事典を、「こんなもの」呼ばわりとは。

全国のハーブ好きを、敵に回したな。

ちゃんと役に立ってるんだぞ。

俺の美肌ケアとか。