つくづく、サシャ博士(笑)が馬鹿で助かった。
この男が馬鹿じゃなかったら、話はもっとややこしくなっていただろう。
俺とルリシヤでは、『光の灯台』の完成を止められなかったかもしれない。
この男が、『白亜の塔』に関するルーツを知る家系であることを自覚し、『白亜の塔』の設計図を持ち出し。
本気で、ルティス帝国で『白亜の塔』の再現を目論み、その為の人員と設備を整えていたなら。
今頃、マジでルティス帝国は、洗脳大国シェルドニア王国を再現していたことだろう。
あー、考えるだけで恐ろしい。
でも、このお馬鹿博士は、『白亜の塔』について勉強することを怠り、放蕩三昧で、おまけに反抗期と来た。
ほぼノープランで家出をして、兄へのちょっとした反抗心のつもりで、家宝まで持ち出して外国に逃げた。
そして、あわよくばルティス帝国で天下でも取ろうとしたのか、それとも興味本位だったのか。
自分の持つ『白亜の塔』に関する資料に、飛びついてくれたヒイラの存在が嬉しかったのか。
要するに、自分の持ってる自慢の「玩具」を、羨ましがってくれる人がいたので。
ちょっと良い気になって、博士気取りで研究を始めたのは良いものの。
ここに来て自分の不勉強が祟って、折角持ち出してきた開発資料も、あまり役に立たず。
博士を名乗ってる癖して、実は誰よりもこの研究についてよく分かっていないので。
ただ白衣を着て椅子にふんぞり返り、開発チームのメンバーが右往左往する様を見ながら、椅子で尻を温めているだけ。
滑稽極まりない。
まぁ、前述の通り、こいつがちゃんと『白亜の塔』に勉強していたなら、非常に厄介なことになっていたはずなので、馬鹿博士で助かったのだが。
とはいえ。
本当に『白亜の塔』について理解し、バールレン家の一員としての自覚があるのなら。
反抗期を起こすことも、家出することも、大事な開発資料を持ち出すことも。
その資料を用いて、ルティス帝国で一旗揚げようなどという馬鹿なことも、考えなかっただろうけど。
本当に賢い人間なら、そうなるよ。
でもこの馬鹿は、やらずにはいられなかったんだろうな。
自分が持ち出してきた設計図の一部を、完成させずにはいられなくなった。
何せ、おだててくれる人がいるんだもんな。
自国であるシェルドニアにいれば、自分は大したことのない、不勉強で不真面目な馬鹿貴族の次男としか見られないが。
そんな馬鹿貴族の次男でも、ルティス帝国に来れば、何だか凄く偉い人のように扱ってくれる。
そりゃあ気分も良いだろうよ。
おめでたい頭の人間が多くて、呆れ果てて物が言えないな。
この男が馬鹿じゃなかったら、話はもっとややこしくなっていただろう。
俺とルリシヤでは、『光の灯台』の完成を止められなかったかもしれない。
この男が、『白亜の塔』に関するルーツを知る家系であることを自覚し、『白亜の塔』の設計図を持ち出し。
本気で、ルティス帝国で『白亜の塔』の再現を目論み、その為の人員と設備を整えていたなら。
今頃、マジでルティス帝国は、洗脳大国シェルドニア王国を再現していたことだろう。
あー、考えるだけで恐ろしい。
でも、このお馬鹿博士は、『白亜の塔』について勉強することを怠り、放蕩三昧で、おまけに反抗期と来た。
ほぼノープランで家出をして、兄へのちょっとした反抗心のつもりで、家宝まで持ち出して外国に逃げた。
そして、あわよくばルティス帝国で天下でも取ろうとしたのか、それとも興味本位だったのか。
自分の持つ『白亜の塔』に関する資料に、飛びついてくれたヒイラの存在が嬉しかったのか。
要するに、自分の持ってる自慢の「玩具」を、羨ましがってくれる人がいたので。
ちょっと良い気になって、博士気取りで研究を始めたのは良いものの。
ここに来て自分の不勉強が祟って、折角持ち出してきた開発資料も、あまり役に立たず。
博士を名乗ってる癖して、実は誰よりもこの研究についてよく分かっていないので。
ただ白衣を着て椅子にふんぞり返り、開発チームのメンバーが右往左往する様を見ながら、椅子で尻を温めているだけ。
滑稽極まりない。
まぁ、前述の通り、こいつがちゃんと『白亜の塔』に勉強していたなら、非常に厄介なことになっていたはずなので、馬鹿博士で助かったのだが。
とはいえ。
本当に『白亜の塔』について理解し、バールレン家の一員としての自覚があるのなら。
反抗期を起こすことも、家出することも、大事な開発資料を持ち出すことも。
その資料を用いて、ルティス帝国で一旗揚げようなどという馬鹿なことも、考えなかっただろうけど。
本当に賢い人間なら、そうなるよ。
でもこの馬鹿は、やらずにはいられなかったんだろうな。
自分が持ち出してきた設計図の一部を、完成させずにはいられなくなった。
何せ、おだててくれる人がいるんだもんな。
自国であるシェルドニアにいれば、自分は大したことのない、不勉強で不真面目な馬鹿貴族の次男としか見られないが。
そんな馬鹿貴族の次男でも、ルティス帝国に来れば、何だか凄く偉い人のように扱ってくれる。
そりゃあ気分も良いだろうよ。
おめでたい頭の人間が多くて、呆れ果てて物が言えないな。


