The previous night of the world revolution6~T.D.~

さて。

エリアスと共に、『帝国の光』本部ビルに到着。

俺達はそこで別れ、エリアスは上に、俺は下に向かった。

いつもの、俺の仕事場。

地下研究室。

「おはようございます」

中に入ると、まるで御神体のように、「それ」が鎮座していた。

言わずもがな、『光の灯台』である。

とはいえ、まだこれは完全な『光の灯台』ではない。

試作一号機のこれはまだ、白く塗られた単なるクズ鉄の塊でしかない。

ルナニア・ファーシュバルの任務は、このクズ鉄を、完全な『光の灯台』にすること。

ルレイア・ティシェリーの任務は、このクズ鉄を、絶対に完成させないこと。

この対立する二つの任務を、同時にこなさなければならないのだから。

案外、札束数えてる方が楽なのかもしれないな。

すると。

「あぁ、君か。おはよう」

「おはようございます、博士」

白いクズ鉄の後ろから、サシャ・バールレン…もとい、

薄ら若ハゲ反抗期家出症候群のなんちゃって博士が、ひょっこりと顔を覗かせた。

全ての元凶なんだってな、お前。

ルルシーに聞いたよ。

ルナニアの任務が終わったら、お前ボコボコにする予定だから、宜しく。

まずは、その脳天に僅かに残った髪を、芝刈り機で焼け野原にするところから始めるとしよう。

今から楽しみだよ。

こんな奴を、博士と呼ばなければならないのが非常に遺憾。

実際、この男は、博士と呼ばれていながら、何もしていないのだ。