The previous night of the world revolution6~T.D.~

そこからは、もう。

いつぞや、何処ぞのコンサートホールで、年齢サバ読んだおばさんに聞かされた、あのうんざりするような政治批判。

ほぼ、あれの再現だった。

ただ、このエリミア会長の場合。

人々を愛し、博愛の精神で…とか、寒気がするようなことは言わなかった。

あくまで、宗教からは離れた、政治批判に留まっている。

それだけは救いだったな。

しかし、あとはルチカおばさんの言っていたことと、ほとんど一緒だった。

そして、さっき聞いたエリアスの意見と同じ。

「私達は、皆同じルティス帝国民。女王アルティシアも、帝国騎士団の隊長達もそう。同じルティス帝国の人間です。それなのにどうして、私達と彼らの間には、こんなにも距離が開いているんでしょうか?」

面白い質問だな。

私達は同じ人間なのに、何でオリンピックで金メダルを取れないんでしょう?って言ってるようなもん。

皆同じなら、皆金メダル取れるよな。

って言うか、本当に皆同じなら、誰も金メダルなんて取れないよ。

「その答えは簡単。彼らは王侯貴族で、私達は庶民だからです」

よく分かってるじゃないか。

「どうしてでしょう?どうして、私達は同じ人間なのに、生まれながらに地位と名声と富を約束された人がいて、一方では貧しい家に生まれ、教育どころか、食べることにさえ苦労している人がいる」

…。

「これは不平等なことです。人間は皆平等でなければならないのに、王侯貴族達は、自分の努力で手に入れた訳ではない、ただ生まれながらに持っていたものを見せびらかして、特権を手にしている。王制は不平等の象徴で、帝国騎士団はそれを助長する、悪の集団なのです」

…。

…だってさ、ルーシッド。

言われてるよ。

ねぇねぇ今どんな気持ち?って聞きたいけど。

聞ける状況じゃないので、黙っといてあげるよ。

俺優しいからね。

「こんな国で良いんでしょうか。私達は、ルティス帝国の未来を担う世代として、この不平等を無視して、次代に繋いで良いんでしょうか?この不平等の連鎖は、いつか、誰かが、何処かで断ち切らなければならない…」

エリミア会長の言葉に、熱がこもった。

「それが、今なのです。皆さんも知っているでしょう?先日の…『天の光教』事件のことを」

おっ。

今度は、ルチカおばさんの話題が出たぞ。