The previous night of the world revolution6~T.D.~

怖がっているところ、申し訳ないが。

こちらも、悠長に尋問している暇はないんでな。

ここは、マフィア流で行こう。

「答えられないなら、答えたくなるようにしてやろう」

俺は、くるりと拳銃を回してホルスターに収めると。

半泣きでぶるぶる震えている、テナイ・バールレンの右手を掴み、上に上げた。

「ひっ」

「答えろ。サシャ・バールレンというのは誰だ?」

「ち、ちが…。わ、私は何も…」

「今の俺は、優しくお前が答えたくなるのを待ってやる暇はないんだ。答えたくないなら仕方ない」

俺は、振り上げたテナイの右手首を、捻り潰さんばかりに握った。

テナイが呻き声を上げたが、別にこの程度、痣が残るくらいだ。大袈裟な声を出すな。

「俺の質問に、5秒以内に答えろ。さもなくば、お前の右手の指を一本ずつ撃つ」

「!?」

テナイは、泣きそうな顔で目を見開いた。

「やれるな?アリューシャ」

俺は、インカムでアリューシャに尋ねた。

俺は、尋問役。

拷問役は、アリューシャだ。

『だーれに聞いてんだ?指一本なんざ、的がでか過ぎてあくびが出るわ。何なら、第一関節から順番にぶち抜いてやるよ』

愚問だったようだな。我が『青薔薇連合会』最強のスナイパーには。

しかし、

「待て、やめろ!この方はシェルドニア貴族の当主だ。異国人のお前達が…!」

ルシードだけは、相変わらず俺に怯みもしなかったが。

俺もまた、ルシードごときに怯みはしない。

「黙ってろ。こっちはルティス帝国存亡の危機を背負ってるんだ。大体、自分の国の王を暗殺する為に、無関係の異国人を利用しようとした、お前が言う台詞か?」

「っ…」

それを言われると、ルシードとしては痛いらしく。

口を噤むしかなかった。

「お前達には何の口出しもさせない。これは、俺達ルティス帝国と、この男の問題だ…!」

だったら、俺がどうしようと、テナイがどうなろうと、お前達の知るところではない。

「じゃあ始めるか。言っとくが、これは脅しじゃない。やると言ったら俺はやる。良いな?」

「ひっ、ま、まっ…」

待たない。

「サシャ・バールレンというのは誰だ?お前か?」

「そ、それは」

「5、4、3…」

容赦なく、カウントダウンを始める。

すると。

「ち、違う!私じゃない!私はテナイ・バールレンだ!」

余程、指を失うのが怖かったのか。

ようやく、テナイ・バールレンは流暢に喋り始めた。