The previous night of the world revolution6~T.D.~

…車に軟禁されて、何処に連れて行かれるかと思ったが。

ちゃんと、目的地に到着したようで何より。

アリューシャは大丈夫だろうか?

王宮からここまで、思ったほど遠くはなかったが。

それでも、ママチャリで移動するには、なかなか遠い距離だぞ。

無理しなくて良いとは伝えたが…。

ルシードがバールレン邸の使用人に取り次ぎ、アシミムの来訪を伝えると。

慌てて、屋敷の奥から、主人と思われる人物が現れた。

「こ、これはアシミム様。わざわざお出で頂くとは…」

へこへこと下げる頭には、成程、ふさふさと髪の毛が乗っている。

…カツラ…って訳じゃないよな?

俺はルレイアじゃないから、見分けがつかん。

ルレイアなら、一発で見分けがつくんだろうけど。

とにかく、アシミムに平身低頭の、この態度を見るに。

この男が、バールレン家の当主。

名前は…テナイ・バールレンだったか。

本人なのだろう。

「恐れながらアシミム様、本日はどのような…」

「話がしたいのですわ。いきなりで申し訳ないのですが、部屋を用意してもらえるかしら」

「は、は…。ただちに」

突然の、女王の来訪に驚き、狼狽えながらも。

バールレン家の当主は、俺とアシミムとルシードの三人を、屋敷の中に招き入れた。