それを確かめる為に、俺達はここに来た。
『帝国の光』に関するこの事件、もしかしてシェルドニア王国が、ルティス帝国国内を内乱状態に持ち込む為に。
ルティス帝国を荒れさせる為に、わざと『白亜の塔』に関する情報を、ルティス帝国に流し。
ルティス帝国の国力が弱まったところに、奇襲を掛けてルティス帝国を乗っ取る為に、行ったことではないか?
そんなまさか、と思うことなかれ。
アシミムに、ルティス帝国を攻撃する動機は、充分過ぎるほどにある。
まずルティス帝国は、唯一、シェルドニア王国の『白亜の塔』システムについて知っている国だ。
今のところ、ルティス帝国はこの事実を諸外国に黙っているが。
シェルドニア側からしたら、自国内の極秘情報を、いつ、誰にバラされるか分からない状態なのだ。
だったら、いっそのことルティス帝国を占領し、シェルドニア王国の領土にしてしまえば良い。
そしてルティス帝国にも『白亜の塔』を建て、国民達を黙らせれば良い。
それで、アシミムの頭痛の種は消える。
ついでに、先王暗殺事件の真相も、揉み消すことが出来る訳だからな。
そういう意味では、シェルドニア王国にとって、ルティス帝国は脅威以外の何物でもないのだ。
しかも、先日の『天の光教』事件の際。
ルティス帝国の経済回復の一環として、ルレイアがアシミムに脅しをかけ。
ルティス帝国とシェルドニア王国は、ややシェルドニア側に不利な条件で、貿易を行わされている。
シェルドニアにとっては、面白くない状況だ。
一応、ルティス帝国が経済回復した後、貿易条約の一部を変更し。
一方的に、シェルドニアだけが不利な条件を突きつけられている、という状況は変わったが。
それでも、やはりシェルドニア側が若干不利であることに変わりはなく。
それだって、ルレイアに脅されたことがきっかけなのだから、やはりアシミムにとっては面白くないはず。
国の重大な秘密を握られ、おまけに不利な貿易を強いられている。
ついでに言えば、ルレイア個人にも、充分痛めつけられているからな、あの女王様は。
ルティス帝国に復讐したいと思うのは、当然の心理だ。
あわよくばルティス帝国を支配してしまえば、シェルドニア王国の国力も飛躍的に上がる。
しかし、シェルドニア王国が直接、武力を持ってルティス帝国を攻撃するのは、あまりに分が悪い。
シェルドニアの兵隊はご覧の有様だし。
第一、シェルドニア王国には、表向きにルティス帝国を攻撃する口実がない。
まさか、「『白亜の塔』の秘密を知られているからです」と言える訳もなし。
単に「領土拡大の為です」と言っても、世界各国から非難の的にされるのは分かりきっている。
従って。
アシミムは、故意にルティス帝国の一般市民に『白亜の塔』の情報を流し。
『帝国の光』のような、反政府組織を作らせ。
ルティス帝国を、実質的な内乱状態に陥らせ。
ルティス帝国が弱ったところを、「治安維持の為」だとか何とか口実をつけて、一気に叩く。
そうすれば、シェルドニア王国は、実に「平和的に」ルティス帝国を支配することが出来る、という寸法だ。
有り得ない話ではない。
有り得ない話ではないから、俺達はその真偽を、アシミムに直接確かめに来た。
もし、アイズが懸念したこの可能性が、本当なら。
俺達の敵は、『帝国の光』ではなくなる。
俺達の敵は、いや、ルティス帝国の敵は、シェルドニア王国になる。
果たしてアシミムは、本気でそんな大それた計画を実行に移したのだろうか?
『帝国の光』に関するこの事件、もしかしてシェルドニア王国が、ルティス帝国国内を内乱状態に持ち込む為に。
ルティス帝国を荒れさせる為に、わざと『白亜の塔』に関する情報を、ルティス帝国に流し。
ルティス帝国の国力が弱まったところに、奇襲を掛けてルティス帝国を乗っ取る為に、行ったことではないか?
そんなまさか、と思うことなかれ。
アシミムに、ルティス帝国を攻撃する動機は、充分過ぎるほどにある。
まずルティス帝国は、唯一、シェルドニア王国の『白亜の塔』システムについて知っている国だ。
今のところ、ルティス帝国はこの事実を諸外国に黙っているが。
シェルドニア側からしたら、自国内の極秘情報を、いつ、誰にバラされるか分からない状態なのだ。
だったら、いっそのことルティス帝国を占領し、シェルドニア王国の領土にしてしまえば良い。
そしてルティス帝国にも『白亜の塔』を建て、国民達を黙らせれば良い。
それで、アシミムの頭痛の種は消える。
ついでに、先王暗殺事件の真相も、揉み消すことが出来る訳だからな。
そういう意味では、シェルドニア王国にとって、ルティス帝国は脅威以外の何物でもないのだ。
しかも、先日の『天の光教』事件の際。
ルティス帝国の経済回復の一環として、ルレイアがアシミムに脅しをかけ。
ルティス帝国とシェルドニア王国は、ややシェルドニア側に不利な条件で、貿易を行わされている。
シェルドニアにとっては、面白くない状況だ。
一応、ルティス帝国が経済回復した後、貿易条約の一部を変更し。
一方的に、シェルドニアだけが不利な条件を突きつけられている、という状況は変わったが。
それでも、やはりシェルドニア側が若干不利であることに変わりはなく。
それだって、ルレイアに脅されたことがきっかけなのだから、やはりアシミムにとっては面白くないはず。
国の重大な秘密を握られ、おまけに不利な貿易を強いられている。
ついでに言えば、ルレイア個人にも、充分痛めつけられているからな、あの女王様は。
ルティス帝国に復讐したいと思うのは、当然の心理だ。
あわよくばルティス帝国を支配してしまえば、シェルドニア王国の国力も飛躍的に上がる。
しかし、シェルドニア王国が直接、武力を持ってルティス帝国を攻撃するのは、あまりに分が悪い。
シェルドニアの兵隊はご覧の有様だし。
第一、シェルドニア王国には、表向きにルティス帝国を攻撃する口実がない。
まさか、「『白亜の塔』の秘密を知られているからです」と言える訳もなし。
単に「領土拡大の為です」と言っても、世界各国から非難の的にされるのは分かりきっている。
従って。
アシミムは、故意にルティス帝国の一般市民に『白亜の塔』の情報を流し。
『帝国の光』のような、反政府組織を作らせ。
ルティス帝国を、実質的な内乱状態に陥らせ。
ルティス帝国が弱ったところを、「治安維持の為」だとか何とか口実をつけて、一気に叩く。
そうすれば、シェルドニア王国は、実に「平和的に」ルティス帝国を支配することが出来る、という寸法だ。
有り得ない話ではない。
有り得ない話ではないから、俺達はその真偽を、アシミムに直接確かめに来た。
もし、アイズが懸念したこの可能性が、本当なら。
俺達の敵は、『帝国の光』ではなくなる。
俺達の敵は、いや、ルティス帝国の敵は、シェルドニア王国になる。
果たしてアシミムは、本気でそんな大それた計画を実行に移したのだろうか?