相変わらずサングラスをかけて、変装するような格好をした俺達は。
ホテルを出てすぐ、「任務地」に向かった。
ここからは、アリューシャとは別行動である。
仕事用のインカムで、連絡を取り合うことになる。
俺は指定のポイントについて、アリューシャに連絡を取った。
「アリューシャ。着いたか?」
『おけおけ。警備ガバだねーこの建物。びっくりするくらいあっという間に侵入出来たよ』
だろうな。
シェルドニア王国は、世界で一番犯罪発生率が低い国。
これだけ聞けば、なんて治安の良い国なんだろうと思うが。
俺達は、この治安の良さのからくりを知っている。
これら全てが、『白亜の塔』によるものだと。
そして。
生まれたときから、『白亜の塔』の影響下にあり、反抗したり犯罪を犯すことを知らない国民達は。
良くも悪くも、危機感というものを知らない。
国民全体の気質が穏やか過ぎるせいで、「まさか悪いことを企む人がいるはずがない」という空気が蔓延している。
だから、俺達はそこに付け入らせてもらう。
『そっちの様子は〜…っと…。おーおー。女王様が住むお城だってのに、警備は門番二人だけかよ。しょぼっ』
「あぁ。それはここからも見えてるよ」
まず、一般人である俺が、王宮の近くにこんなに接近出来るのがおかしい。
ルティス帝国の王宮だったら、まずここまで近づくにも一苦労だ。
それに比べ、シェルドニア王国の王宮は、今俺の目と鼻の先にあるも同然。
警備が手薄なのも、「王宮に手出しする国民がいるはずがない」と思い込んでいる証だ。
つい先日、王様が暗殺されたばかりで国が荒れたというのに、まるで何事もなかったかのように静かだ。
これも、全て『白亜の塔』の影響だ。
不自然に国王が変わろうと、国民は何の疑いも持たず、新しい国王を無邪気に讃える。
「警備はたかが二人だ。俺が…」
と、言いかけると。
『まぁ待て待て。ルル公は奇襲係なんだから。ここは分担していこうぜ』
「分担?」
『門番二人と、門のセキュリティはアリューシャがぶっ壊す。あと、門から建物までにあるカメラと…あれは自動迎撃マシンガンだな。あれもぶっ壊すよ』
…さすがアリューシャ。
スナイパーの「目」は、前線にいる俺なんかより、ずっと視野が広い。
「奴らも、一応襲撃の備えはしてるんだな」
『お粗末過ぎて笑えてくるけどな。大体、こんなベストポジションで王宮を狙える位置に、お誂え向きの建物がある時点でお察しだろ』
全くだ。
ルティス帝国王宮なら有り得ないな。
まぁ、それでもアリューシャは王宮の窓をぶち抜いていたが。
あれはアリューシャがチート過ぎるのだ。
「とはいえ、警戒は怠るな。位置がバレたら危ない。適宜移動しろよ」
『おいおい、スナイパーの基本をアリューシャに講釈か?』
「…そりゃそうか。悪かったよ」
俺が言うまでもなく、お前は誰より優秀なスナイパーだよ。
「よし、始めるぞ」
『あいよ』
と、言った瞬間。
アリューシャのライフルが、火を吹いた。
ホテルを出てすぐ、「任務地」に向かった。
ここからは、アリューシャとは別行動である。
仕事用のインカムで、連絡を取り合うことになる。
俺は指定のポイントについて、アリューシャに連絡を取った。
「アリューシャ。着いたか?」
『おけおけ。警備ガバだねーこの建物。びっくりするくらいあっという間に侵入出来たよ』
だろうな。
シェルドニア王国は、世界で一番犯罪発生率が低い国。
これだけ聞けば、なんて治安の良い国なんだろうと思うが。
俺達は、この治安の良さのからくりを知っている。
これら全てが、『白亜の塔』によるものだと。
そして。
生まれたときから、『白亜の塔』の影響下にあり、反抗したり犯罪を犯すことを知らない国民達は。
良くも悪くも、危機感というものを知らない。
国民全体の気質が穏やか過ぎるせいで、「まさか悪いことを企む人がいるはずがない」という空気が蔓延している。
だから、俺達はそこに付け入らせてもらう。
『そっちの様子は〜…っと…。おーおー。女王様が住むお城だってのに、警備は門番二人だけかよ。しょぼっ』
「あぁ。それはここからも見えてるよ」
まず、一般人である俺が、王宮の近くにこんなに接近出来るのがおかしい。
ルティス帝国の王宮だったら、まずここまで近づくにも一苦労だ。
それに比べ、シェルドニア王国の王宮は、今俺の目と鼻の先にあるも同然。
警備が手薄なのも、「王宮に手出しする国民がいるはずがない」と思い込んでいる証だ。
つい先日、王様が暗殺されたばかりで国が荒れたというのに、まるで何事もなかったかのように静かだ。
これも、全て『白亜の塔』の影響だ。
不自然に国王が変わろうと、国民は何の疑いも持たず、新しい国王を無邪気に讃える。
「警備はたかが二人だ。俺が…」
と、言いかけると。
『まぁ待て待て。ルル公は奇襲係なんだから。ここは分担していこうぜ』
「分担?」
『門番二人と、門のセキュリティはアリューシャがぶっ壊す。あと、門から建物までにあるカメラと…あれは自動迎撃マシンガンだな。あれもぶっ壊すよ』
…さすがアリューシャ。
スナイパーの「目」は、前線にいる俺なんかより、ずっと視野が広い。
「奴らも、一応襲撃の備えはしてるんだな」
『お粗末過ぎて笑えてくるけどな。大体、こんなベストポジションで王宮を狙える位置に、お誂え向きの建物がある時点でお察しだろ』
全くだ。
ルティス帝国王宮なら有り得ないな。
まぁ、それでもアリューシャは王宮の窓をぶち抜いていたが。
あれはアリューシャがチート過ぎるのだ。
「とはいえ、警戒は怠るな。位置がバレたら危ない。適宜移動しろよ」
『おいおい、スナイパーの基本をアリューシャに講釈か?』
「…そりゃそうか。悪かったよ」
俺が言うまでもなく、お前は誰より優秀なスナイパーだよ。
「よし、始めるぞ」
『あいよ』
と、言った瞬間。
アリューシャのライフルが、火を吹いた。


