The previous night of the world revolution6~T.D.~

アリューシャのゴキブリ時代って、よく知らないけど。

積極的に、よく知りたいとも思わないけど。

だって、絶対胸糞悪いに決まってるからな。

…でも、これだけは聞きたい。

「…なぁ、アリューシャ」

「んー?」

「お前、マジでゴキ…G食ったことあるの?ルティス帝国で…」

「うん」

とんでもないことを即答された。

「何なら、生き様もゴキだった。しぶといしすばしっこいし黒いし。唯一Gと違うのは、アリューシャには羽根がないってところだけかなー」

「…」

…あと、お前は二足歩行、奴は四足歩行という点も違うな。

そもそも、お前人間だろ。

「でも、あれ結構不味いし、初心者は漏れなく腹痛くなるから、迂闊に食うのはやめた方が良いぜ」

忠告されなくても、俺は食わねぇよ。

皆も食うなよ。そんなの食べるのは、アリューシャみたいな…。

…貧民街の片隅で、誰からも生きることを否定され、忘れられた人々だけ。

彼らとて、好き好んでそんなものを食べていた訳じゃない。

…そう思うと。

アリューシャって、結構ハードな人生送ってきてるんだよな。

『青薔薇連合会』の連中は、そういう人の集まりだけど。

アリューシャが馬鹿、もとい…賢くないのも、幼少期に全く教育を受けていないことに起因する。

そういう意味では、アリューシャは…。

「…」

「…どした?ルル公。眉間に皺寄せて」

「…なぁ、アリューシャ」

「?」

「お前、『帝国の光』のことをどう思う?」

「へ?」

よくよく思い出してみたら。

『帝国の光』が救おうとしているのは、過去のアリューシャのような人々なのだ。

そんな『帝国の光』の活動を、革命を、俺達は止めようとしている。

アリューシャにとっては、心中穏やかではいられないだろう。

…と、思ったら。

「いや…敵だろ?『青薔薇連合会』の」

…それはまぁ、そうなんだけど。