The previous night of the world revolution6~T.D.~

その後。

完全に日が暮れる前に、俺達は、予約していたホテルに入った。

そして勿論、ホテルの中も。

「うへぇ〜っ。白〜っ!!」

室内に入るなり、アリューシャが叫んだ。

…まぁ、俺は予測していたから、覚悟してたけどさ。

ホテルの室内も、当然真っ白。

壁も天井も床も、何もかも白。

ベッドも白いし、テーブルも白。

カーテンも白いし、何なら窓枠まで白い。

テレビの液晶画面だけが黒くて、逆に違和感を感じる。

「こんなにあちこち白かったら、水道の蛇口を捻ったらカルピスが出てきても、全く不思議じゃないな」

と、真顔で言うアリューシャに、思わず同意してしまいそうなほど、何かもが白い。

カルピスは出てこないだろうが、白い水が出てきても不思議じゃないよな。

ちょっと不安になって、洗面台の蛇口を捻ってみたら。

ちゃんと透明な水が出てきて、そこは安心した。

とはいえ。

「異国の水だからな。身体に合わなかったらいけない。水は、ルティス帝国から持ってきたものを飲み、」

「はー喉渇いた。ごくごくごく」

「おい」

言った傍から、お前。

蛇口捻って出てきた水を、コップに受けてそのまま飲んでる。

馬鹿なのか。

「水飲むなっつったろ、馬鹿!」

「だいじょぶだいじょぶ。透明な水なんだから上等なもんだ」

「はぁ?」

「ゴキブリ時代は、緑とか、あと茶色い腐った水飲んでたし。それに比べりゃ余裕余裕」

「あ…」

…そうか。

アリューシャ、貧民街育ちだもんな。

今更、飲み水くらいで繊細なことは言わない。

「…」

「…?どした、ルル公」

「あ、いや…」

「それより、飯食いに行こうぜ、夕飯!シェルドニア料理って、どんななんだろうな〜!」

あっ。

忘れていた、思い出したくない現実、再び。