The previous night of the world revolution6~T.D.~

長い長いフライトが終わり。

俺は、ようやくシェルドニア空港に、足をつけることが出来た。

この国に来られたことを喜ぶなんて、冗談じゃないが。

それでも、ようやく飛行機から降りることが出来て、俺はホッとした。

と、言うのも。

長いフライトの間中、起きているときは「暇〜!」を連呼するアリューシャの為に。

子供向けのアニメ映画を、立て続けに三本ほど見せ。

それが終われば、やっぱり「暇〜!」連呼をやめないアリューシャに、今度はトランプで、延々とババ抜きと七並べを繰り返した。

トランプなら、神経衰弱でも大富豪でも、色々遊び方があるだろうに、何故ババ抜きと七並べだけしかやらなかったのかって?

仕方ないだろ。

他のルールは、アリューシャが「分かんねぇ!」って言うんだから。

神経衰弱は、覚えられないから嫌なんだって。

俺だって、別のゲームのルールを教えたりもしたぞ?頑張って。

でも、何を言ってもどう説明しても、「?」な顔をしているだけで、理解してない。

仕方なく、ババ抜きと七並べだけで耐えた。

しかし、それもアリューシャは飽きたらしく。

やっぱり「暇〜!」とか言い出したので。

アイズお手製の絵本と紙芝居を読み、持参した塗り絵をやらせ、何ならしりとりにも付き合い。

合間合間で、「おやつ食べたい」と我儘言うアリューシャに、ちょっとずつおやつを与え(一度に多く与えたら、ご飯食べなくなっちゃうから、少しずつね。とのアイズの言葉)。

まさに幼稚園の先生になった気分で、最早周囲からの失笑も、見えない、聞こえない振りをして。

手を変え品を変え、アリューシャのお世話をした。

ようやく空港に着いたときには、俺はもうぐったりしていた。

介護疲れならぬ、育児疲れ。

しかも。

そうまでして、アリューシャの面倒を見たと言うのに。

当のアリューシャはと言うと。

「ふー、やっと着いた。やれやれだぜ全く!」

「…」

…この、涼しい顔だからな。

やれやれはこっちの台詞だ馬鹿!と、渾身の一発をくれてやりたいところだったが。

もう、そんな元気も残ってない。

何が怖いって、これ、まだ往路だからな。

復路があることを、忘れてはならない。

今から帰りのことを考えると、うんざりを通り越して、血反吐吐きそう。

しかも。

忘れてはいけない。

シェルドニアに着いた、ここからが俺達の任務の始まりなのだ。