The previous night of the world revolution6~T.D.~

サークル紹介が行われる、大講義室にぞろぞろと向かいながら。

俺は、エリアスに探りを入れてみることにした。

「エリアスさんは…」

「さん、は良いって。呼び捨てで良いよ」

馴れ馴れしいな畜生。

「…じゃ、エリアスは」

「何?」

「何か、入りたいサークルはあるんですか?」

彼は、何を目的にサークル勧誘会に参加しようとしているのか。

何かしら、目星をつけているサークルがあるのだろう。

あるいは、むしろ何の目星もついてないから、何か面白いサークルないかなぁ、と興味本位で見に行くのか。

別にどちらでも良いが、俺としては後者の方が有り難い。

前述の通り、エリアスが「サッカー同好会に入りたいんだー!一緒にどう?」とか言われたら。

断るのに、角が立つからな。

サッカーなんて、俺、超興味ないし。やったこともないし。

何なら、ルールもよく知らない。

点数多い方が勝ちなんだろ?

スポーツそのものは嫌いじゃないが、チームスポーツは嫌いだ。

だから、エリアスがスポーツ系のサークルに入りたがっているのなら。

俺としては、会話に困ると言うか…。

しかし。

この男は、俺が思っているよりずっと。

「優秀」な、情報源となり得る存在だった。

「あー、うん。実は俺、もう入りたいサークルが決まってるんだ。だから、出来ればもう、今日のうちに入部届出しておこうかなって」

ほう。

何やら固い決意を持っているらしいが。

そんなにサッカーしたいか。

「ちなみに、そのサークルって…」

ここで、「サッカー同好会!」って言われたら、困るところだったが。

エリアスは、

「『ルティス帝国を考える会』って知ってるか?」

「…!」

俺はその名前を聞いて、思わず足を止めてしまいそうになった。

…こんな偶然、あるか?

いかに俺が、死神級の幸運の持ち主と言えど。

「結構最近出来たばっかりのサークルらしいんだけど、ルティス帝国のこれからの政治体制について、メンバー内で話し合ったり、調べ合ったりするらしい。大学ホームページとか、パンフレットにも載っててさ」

…知ってる。

俺も、同じホームページと、同じパンフレットを読んだから。

そして、そのサークルこそ。

俺とルーシッドが、情報収集の為に入ろうとしているサークルの名前だから。