The previous night of the world revolution6~T.D.~

「帝国騎士団隊長として…非常に不甲斐ない。国民達がこの事実を知れば、帝国騎士団の威光は地に落ちるでしょう」

「いっそ、どん底まで落ちれば良いと思いますけどね、俺は」

『青薔薇連合会』がこの事実を世間に公表すれば、実際そうなるだろうね。

まぁ、そこまでは勘弁してやるよ。

俺は優しいからな。

「出来ることなら、俺が、代わりに行きたいです」

「あなたごときに、俺の代わりは務まりません。役不足も甚だしい」

「…悔しいですけど、自分でもそう思います」

実力の問題ではない。

経験値と、知識の問題だ。

今回新しく持ち上がった、あの厄介な問題については。

お前達より、俺達…いや。

俺の方が、遥かによく知っている。

「だから、指を咥えて見ていることしか出来ない自分が、とても不甲斐なくて…悔しいです」

「でしょうね」

存分に悔しがれば良いと思うよ。

おしゃぶりでもしゃぶりながらな。

「…でも」

あ?

「同時に、あなたで良かったとも思ってます」

「…はぁ?」

「安心して…任せられますから。このルティス帝国で…あなた以上に、味方にして頼もしい人物は、いませんからね」

…へぇ。

言うようになったじゃないか。スヴェトラーナのお坊っちゃんが。

「ルティス帝国の命運が懸かっている今、マフィアであるあなたに託すことは、帝国騎士団四番隊隊長として、非常に不甲斐ない。それでも…それしか国を救う方法がないと言うのなら、俺はあなたを頼ります」

「…良い覚悟じゃないですか」

かつての俺より、遥かに愛国心を持っているようで。

「ルティス帝国の未来を…頼みます」

帝国騎士団の隊長が、マフィアの幹部である俺に、こんな発言をするときが来るとは。

人生、分かったもんじゃないな。

まぁ、でも。

面白いものが見れたのは、確かだ。

なので。