The previous night of the world revolution6~T.D.~

…アリューシャ。

今ばかりは、お前のド天然に救われたぞ。

「え、えと…アリューシャ。あのね、でも…私だって間違えることはあるんだよ?」

アイズ、困惑。

「でも、今まで間違えたこと一回もないじゃん。だからアイ公は正しいんだよ」

あくまで無邪気なアリューシャ。

今まで間違えたことがないからって、これからも間違えないとは限らない…という、

正論は、このときばかりは通用しないぞ。

何故なら、俺もアリューシャと同じ気持ちだからな。

「…あのな、アイズ」

「…何?」

「ルレイアもルリシヤも、シュノもルーチェスも、馬鹿じゃないんだ」

「…知ってるけど」

だろ?

特にルレイアなんか、腐っても、あの帝国騎士官学校を、主席で卒業したくらいなんだから。

ありとあらゆる状況で、ありとあらゆる作戦プランを考えつく。

そのルレイアが。

そして、そんなルレイアに負けず劣らずのルリシヤやルーチェスが。

「何で、賢いあいつらが、お前の立てた作戦に従うと思う?」

「…」

「お前は正しいって信じてるからだ。お前の言うことなら、お前の立てた作戦なら大丈夫だって、確信してるからだ。あいつらは、無駄に賢いんだから、間違ってると思ったら従わねぇよ」

容赦ないからな、ルレイアなんか。

これは違うと思ったら、さっさと自分の好きなようにやるぞ。

暴走機関車だからな。

「もういっそ、『帝国の光』全部刈れば解決では?」とか言って、死神の鎌が牙を剥くことだろう。

暴走機関車だからな。

そんなルレイアが、大人しくアイズの立てた作戦に従ってる。

それは何故か。

アイズの作戦が正しい、適切だと信じているからだ。

ちゃんと確信を持って、それが最適な判断だと分かっているからだ。

「今までずっとそうだった。お前になら、自分の命を預けても大丈夫だって分かってる。信頼してる。だからあいつらは、危険だと分かってても行くんだ。お前の作戦なら成功するって、分かってるから」

「…それは…」

「胸を張れよ、アイズレンシア・ルーレヴァンツァ」

お前は、アシュトーリアさんに信頼された、『青薔薇連合会』の次期首領だろうが。

「今回は、いきなり予想外過ぎることが起きて、しかもじっくり作戦考える時間もなくて、お前が自信をなくすのも無理はないけど」

でも、だから何だと言うのだ。

それが、アイズへの信頼が薄れる理由にはならない。