The previous night of the world revolution6~T.D.~

何より気に入らないのは。

何が一番気に食わないかって。

それは。

私が、ここにいることだ。

仲間達を、冷徹にも危険に飛び込ませているのに。

私は、ここで…安全な場所で、高みの見物をしているだけ。

彼らを、血よりも濃い繋がりで結ばれた仲間達を。

まるで操り人形のように操って、指示して。

実際に危険な綱渡りをしているのは、彼らなのだ。

私ではない。

私は彼らに、危険な綱渡りを用意して、彼らに「ここを渡れ」と指示しているだけ。

命綱もない、落ちたら谷の底に真っ逆さまの、命懸けの綱渡りを。

…許されるのか?そんなことが。

仲間なのに。

家族なのに。

私は安全な場所にいて。

彼らは、戦場のど真ん中にいる。

そして、そんな状況を作り出したのは、他でもないこの私なのだ。

私が、彼らを危険な目に遭わせている。

「信用している」と言えば、聞こえは良いだろう。

でも、実際は違うんじゃないか?

「頼っている」だけじゃないのか?「縋っている」だけじゃないのか?

自分には出来ないことだから、代わりに仲間に「押し付けてる」だけじゃないのか?

私は、本当に正しかったのか?

…分からない。誰にも。

どうしたら良かったのか、教えてくれる優しい神様なんて、この世にはいない。

結果を待つしかない。

仲間が、今にも危険な目に遭ってるかもしれないのに。

私はただここで、この安全な場所で、祈っていることしか出来ない。

この無力感が、絶望感が、どうして少しでも軽くなるだろう。

この胸が張り裂けそうな気持ちを、どうして見なかったことに出来るだろう。

終わらない自問自答が、私の心の中を、延々と巡っていた。






…あまりに、深く沈み込んでいたせいか。

私は、気づいていなかった。

そんな不甲斐ない私の姿を、数キロ先のビルのスコープ越しに、見つめている人物がいることに。