スパイなんだから、警戒を怠らないのは当然だが。
それでもこの男は、どうにも俺を不快にさせる。
その根底に何があるのか、上手く言葉に出来ないが…。
「どうかしたか?」
「帳簿、確認しようと思って。どうなってる?」
「こんな感じだ」
俺は、今しがたつけていた帳簿を、ヒイラに差し出した。
するとヒイラは、渋い顔を見せた。
まぁ、そうだろうな。
「相変わらず苦しいな…。こんなものか」
「仕方ない。下部組織から献金を受けているとはいえ、違法に武器を買うには、案外金がかかるからな」
実はこの帳簿、苦しくなるように、俺が小細工していたりもする。
何でも屋と化した俺は、武器の買い付けにも遣わされているので。
値切れそうな武器があっても、敢えて値切らず定価で買ったり。
明らかに欠陥がある武器を見せられても、指摘せずに、アホの振りしてそのまま購入したり。
『帝国の光』の財政を、少しでも圧迫してやろうという魂胆である。
あれだけ『ルティス帝国を考える会』が、決死の思いで万札を注ぎ込んでいるというのに。
こんな使い方をするのは、申し訳ないが。
君達も、怪しげな組織に貢ぐとろくなことにならないと学ぶ、良い機会だ。
人生の授業料だと思って、存分に痛い目を見てくれ。
それと。
「…ずっと気になってたんだが、同志ヒイラ」
「ん?」
「一覧の一番下にある、『革命開発費』っていうのは、何に使ってるんだ?」
ヒイラの親衛隊に入って、帳簿を任されるようになって。
広告費や講演会費や、武器購入費等々、一覧になって数字が並んでいるのを見せられたが。
一番下にある、その「革命開発費」っていうのが、いまいちよく分からない。
最初は、一種の宣伝費みたいなものかと思っていたが…。
それにしては、その項目だけ、異様に数字が大きい。
つまり『帝国の光』は、その「革命開発費」に、膨大な金を注ぎ込んでいるのである。
一体何なんだ、この費用は。
何に、金を使ってる?
ヒイラは、問いかけた俺をじっと見つめていた。
…まだ疑ってるのか?
「教えてくれても良いんじゃないか?俺達は同志だ。お互い、『帝国の光』に身命を捧げた身。隠し事をされると、俺も悲しいぞ」
「…いや、隠し事をするつもりはないんだよ」
どの口で言ってるんだ、お前。
今まで、散々隠し事に隠し事を重ねてきた癖に。
「それに、今日は君に、その話をしようと思って、探してたんだ」
「え?」
「帳簿の管理や武器の買い付けは、同志ルニキスは、もうしてもらわなくて良い」
何だと。
吹っ掛けられた粗悪品を、他人の財布で豪遊するの、
あれ、ちょっと快感だったのに。
それを取り上げられるというのか。ブラック企業『帝国の光』で、唯一と言って良い楽しみだったのに。
しかし、当然俺は、そんな表情はおくびにも出さず。
「そうか。俺は何をしたら良いんだ?」
「見せたいものがあるんだ。ちょっと来てくれないか」
また、そのパターンか。
お前の隠し事ボックスには、いくつ引き出しがあるんだ?
それでもこの男は、どうにも俺を不快にさせる。
その根底に何があるのか、上手く言葉に出来ないが…。
「どうかしたか?」
「帳簿、確認しようと思って。どうなってる?」
「こんな感じだ」
俺は、今しがたつけていた帳簿を、ヒイラに差し出した。
するとヒイラは、渋い顔を見せた。
まぁ、そうだろうな。
「相変わらず苦しいな…。こんなものか」
「仕方ない。下部組織から献金を受けているとはいえ、違法に武器を買うには、案外金がかかるからな」
実はこの帳簿、苦しくなるように、俺が小細工していたりもする。
何でも屋と化した俺は、武器の買い付けにも遣わされているので。
値切れそうな武器があっても、敢えて値切らず定価で買ったり。
明らかに欠陥がある武器を見せられても、指摘せずに、アホの振りしてそのまま購入したり。
『帝国の光』の財政を、少しでも圧迫してやろうという魂胆である。
あれだけ『ルティス帝国を考える会』が、決死の思いで万札を注ぎ込んでいるというのに。
こんな使い方をするのは、申し訳ないが。
君達も、怪しげな組織に貢ぐとろくなことにならないと学ぶ、良い機会だ。
人生の授業料だと思って、存分に痛い目を見てくれ。
それと。
「…ずっと気になってたんだが、同志ヒイラ」
「ん?」
「一覧の一番下にある、『革命開発費』っていうのは、何に使ってるんだ?」
ヒイラの親衛隊に入って、帳簿を任されるようになって。
広告費や講演会費や、武器購入費等々、一覧になって数字が並んでいるのを見せられたが。
一番下にある、その「革命開発費」っていうのが、いまいちよく分からない。
最初は、一種の宣伝費みたいなものかと思っていたが…。
それにしては、その項目だけ、異様に数字が大きい。
つまり『帝国の光』は、その「革命開発費」に、膨大な金を注ぎ込んでいるのである。
一体何なんだ、この費用は。
何に、金を使ってる?
ヒイラは、問いかけた俺をじっと見つめていた。
…まだ疑ってるのか?
「教えてくれても良いんじゃないか?俺達は同志だ。お互い、『帝国の光』に身命を捧げた身。隠し事をされると、俺も悲しいぞ」
「…いや、隠し事をするつもりはないんだよ」
どの口で言ってるんだ、お前。
今まで、散々隠し事に隠し事を重ねてきた癖に。
「それに、今日は君に、その話をしようと思って、探してたんだ」
「え?」
「帳簿の管理や武器の買い付けは、同志ルニキスは、もうしてもらわなくて良い」
何だと。
吹っ掛けられた粗悪品を、他人の財布で豪遊するの、
あれ、ちょっと快感だったのに。
それを取り上げられるというのか。ブラック企業『帝国の光』で、唯一と言って良い楽しみだったのに。
しかし、当然俺は、そんな表情はおくびにも出さず。
「そうか。俺は何をしたら良いんだ?」
「見せたいものがあるんだ。ちょっと来てくれないか」
また、そのパターンか。
お前の隠し事ボックスには、いくつ引き出しがあるんだ?


